2018年2月4日日曜日

鏡とカメラ

鏡とカメラ

私の職業はカメラマンです。
自然や、人工物の中から自分が気に入ったものを切り取り、それが何らかのイメージを写真を見た人の心に生じて貰う、イメージ写真家です。
カメラというのは、人類の発明品の中で、最高のものだと思います。
昔の人々は自分の姿がどのようであるか、見るすべを持っていませんでした。池の橋の上から水面に映った自分を見るくらいがせいぜいでした。
 そこに、鏡が登場します。
高価なものなので、貴族しかもてなかったし、なによりも信仰の対象になりました。
やたの鏡に代表されるように、ご神体になったりしました。
ガラスの発明でとっても鮮明に自分を見ることができるようになりましたが、それでも完全ではありませんでした。
鏡では左右が逆転するからです。
それを根本的に解決する、画期的な発明がカメラです。
前章で書いたように、あらゆるものに意志があるならば、万物もまた、自らの姿を見てみたいだろうと考えたのです。
 そこで実験を試みました。
1999年の夏、北海道小樽でとった朝焼けの海の写真をプリントして、2000年3月に再び小樽を訪れ、早朝の太陽と海にその写真を見せたのです。
「ほら、これが君だよ。綺麗だね」とつぶやきながら。
そのとき、僕は確かに太陽と海の意志をはっきり感じることができました。
体中がじーんとして、いつの間か涙がぼろぼろこぼれ落ちてきたのです。
そのとき、彼らは喜んでいました。
皆さんも一度、実験してみてはいかがでしょう。
大いなる霊磁力を持つものの写真を撮って、後日その写真を納めに行くのです。
太陽に愛されるようになれば、晴れ男、晴れ女になり、旅行に行くときや運動会に必ず晴れるようになったりするかもしれません。
 私自身は生まれついての晴れ男で、ずいぶん旅行もしましたが(仕事で)ほとんど晴れでした。ただ、最近雷雨や大雪に遭遇することが多くなってきて、それがこの原稿をを書き始めたきっかけではあります。

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